高野山二大聖地の一つ、壇上伽藍にある御影堂と金堂の間に大きな松の木があります。
三鈷の松(さんこのまつ)と呼ばれていて、この松の葉を持っていると幸せが訪れるご利益スポットとして有名です。
三鈷の松のご利益とは?
三鈷の松の葉を持っていると幸せが訪れるとざっくばらんに言いましたが、実は財布に入れて持っていると金運に恵まれると言われています。
また、バッグの中にお守りとして持っていれば交通安全、旅行安全のご利益にもなります。
そのようなご利益から、三鈷の松の木の下に落ちている葉を探している人が絶えません。
ところで、写真の三鈷の松の葉を見てなにか違うと気がついたでしょうか?
私達がよく見る松の木の葉は2本が多いと思いますが、この松の木は3本の葉になっていています。
この3本の松の葉に、弘法大師空海が真言密教開創の地として高野山を選んだ由来が隠されています。
高野山開創の由来と三鈷の松の意味
弘法大師こと空海が遣唐使の船に乗って唐(今の中国)に渡り、仏教の修行をして真言密教を日本で広めたのは歴史の教科書にも出てくるので知っている人も多いと思います。
空海は日本に帰国する前に、真言密教の教えを広めるには何処がいいのか三鈷杵(さんこしょ)という密教法具を空に向かって投げました。
すると三鈷杵は天高く舞い上がり、日本に向かって飛行機のように飛んでいきました。
帰国した空海が真言密教を広めるのに相応しい地を探して日本中を周っていたところ、高野山で松の木に引っかかっていた三鈷杵を見つけます。
三鈷の松と呼ばれるようになった由来は三鈷杵からきていて、ここに真言密教の道場を開いたので高野山が真言宗総本山になった由来でもあります。
三鈷の松の名前は三鈷杵からきていますが、この松の木の葉が3本になっていることから三鈷杵との関わりもあり弘法大師のご利益がよりいっそう強いと言われています。
ちなにみ、今の三鈷の松は当時から現存している松の木ではなく何代か植え替えられた外国産の松の木だと言うことです。
少し残念に思えますが、真言宗開創にまつわる弘法大師由来の大切な松の木なのでご利益のパワーには何ら変わらないでしょう。