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世界遺産に登録された高野山の6つのエリアの建造物

高野山総本山金剛峯寺

高野山は『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として2004年に世界遺産に登録されたのですが、殆どの人が高野山全体が登録されたと勘違いをしています。

実は、世界遺産に登録されたのは高野山の町全体ではなく、国の史跡に指定されている6つのエリアにある歴史的に価値の高い建造物しか登録されていません。

それでは、その6つのエリアと世界遺産を見ていきましょう。

高野山の世界遺産マップ

大門地区

高野山の入り口、大門

高野山全体への入口になる総門が高さが25.1mもある大門で、国の重要文化財であり世界遺産に登録されました。

火災などにより焼失した歴史があり、現在の大門は江戸中期の1705年に再建されたものです。

左右には、江戸中期の大仏師、運長と康意によって作られた金剛力士像(仁王像)が訪れた人に睨みをきかせています。

東大寺南大門の仁王像に次いで日本で二番目に高いと言われていて、右側にある京都の仏師・康意の作の阿形像は高さが5m46cm、左側の吽形像は京都五条の仏師・運長の作で高さが5m58cmもあります。

大門の横には、弁天岳への登山口があり、その頂上には弘法大師が大和の天河弁天社より勧請(かんじょう)した嶽弁才天(だけのべんざいてん)が祀られています。

大門

伽藍地区

壇上伽藍(手前が東塔、奥に見えるのが根本大塔)

弘法大師が一番最初に真言密教の道場を開いた場所が壇上伽藍(だんじょうがらん)で、高野山全体の総本堂になる金堂を中心に大塔、御影堂、不動堂などが胎蔵曼荼羅の世界を表わすように建てられています。

国宝に指定されている不動院をはじめ壇上伽藍が国の史跡で世界遺産に登録されており、高野山の二大聖地の一つです。

その堂塔など巡る順番は、高野山に伝わる『両壇遶堂(りょうだんにょうどう)次第』にそって、金堂を中心に時計回り(右回り)に参拝するのが良いとされていて、金剛峯寺公式サイトにも書いてあるのですが、ここでも参拝順に見てまわる諸堂など載せておきます。

中門→金堂→登天の松と杓子の芝→六角経蔵→御社→山王院→西塔→孔雀堂→逆差しの藤→准胝堂→御影堂→三鈷の松→大塔(根本大塔)→対面桜→大塔の鐘(高野四郎)→愛染堂→勧学院→蓮池→大会堂→三昧堂→知泉廟→蛇腹道→六時の鐘

壇上伽藍

本山地区

金剛峯寺 主殿

国の史跡になっている本山地区は、高野山真言宗の総本山金剛峯寺があり世界遺産に登録されています。

現在の金剛峯寺は豊臣秀吉が建てた青巖寺と興山寺の2つのお寺院が明治時代に合併したもので、今では大主殿、別殿、新別殿に分かれて建っています。

金剛峯寺の境内には日本最大と言われている石庭『蟠龍庭(ばんりゅうてい)』があり、一般参拝者でも拝観することができます。

新別殿は91畳と78畳の二間続きの大広間となっており、一般参拝者が休息をしたり僧侶の法話が随時行われていています。

阿字観道場もあり、金・土・日・月の毎週4日は先着順で体験することができます。

総本山金剛峯寺

奥の院地区

奥の院 弘法大師御廟(正面は燈籠堂、御廟はこの裏側)

国の史跡になっている参道を含めた弘法大師御廟までの奥の院世界遺産に登録されていて、高野山の二大聖域の一つです。

表参道一の橋から御廟までのおよそ2kmの参道には、豊臣秀吉や武田信玄、上杉謙信といった戦国武将の墓所や皇室、公家、大名などの墓碑と並んで一般人のお墓などを含め20万基以上もあります。

御廟橋を渡ると無数の燈籠が天井より吊るされた弘法大師の礼拝堂となる燈籠堂があり、その奥に今なお生きて瞑想を続けられているとされる御廟があります。

御廟橋より先のこのエリアは高野山の中でも聖域中の聖域とされており、服装を正し一礼をしてから入り、写真撮影などは完全に禁止となっています。

燈籠堂では、弘法大師最大のご利益が得られる『御衣切』というのがあるので、買われることをおすすめします。

奥の院

徳川家霊台地区

写真は家康公の霊廟

徳川家光が建てた、徳川家康公と秀忠の霊廟・徳川家霊台があり、国の史跡および重要文化財、そして世界遺産に登録されています。

金剛三昧院地区

世界遺産 金剛三昧院

金剛三昧院には国宝の多宝塔や重要文化財に指定されている四所明神社や経蔵など貴重な文化財が数多く残されており、高野山で唯一、塔頭(たっちゅう)寺院として世界遺産に登録されました。

境内には天然記念物に指定されている大きな石楠花や樹齢800年を越す六本立ちの天狗杉などがあり、ご本尊は恋愛成就の仏様と言われている愛染明王で女性の方が多く参拝に来る寺院です。

金剛三昧院は西国愛染明王霊場の第17番霊場にもなっています。

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