四国八十八ヵ所はすべて巡礼が終わり結願すると高野山へお礼参りに行く習わしがあります。
四国遍路は弘法大師の足跡を辿る旅でもあり、無事に八十八ヵ所を巡り終えた同行二人のご報告と感謝の気持ちをお大師様にお伝えするのです。
高野山では今でも弘法大師が生きて瞑想を続けられているとされる、奥之院にある弘法大師御廟をお参りすることになります。
弘法大師御廟参拝
※奥の院マップは総本山金剛峯寺公式サイトからダウンロード
奥之院へ行くには二つの参拝ルートがあります。
一つは一の橋から御廟までの約2kmの歩く表参道、そして最短距離で御廟へ行くことができる中の橋からの参道があります。
どちらを通っていけば良いというルールはありませんが、本来の参拝ルートである一の橋からの表参道をおすすめします。
表参道には織田信長、豊臣秀吉、武田信玄などの歴史に名を残している戦国武将や名立たる武士、著名人などの墓所や基碑が所狭しと並んでいます。
さて、四国八十八ヵ所のお礼参りで御朱印を頂くのは真言宗総本山金剛峯寺ではなくこの奥の院になります。
その御朱印をいただく納経所は弘法大師御廟への入り口となる御廟橋の手前にあります。
上の地図で見ると御供所と書かれている辺りで、ここにはその御供所(弘法大師のお食事を作る台所)のほかに納経所や護摩堂、寺務所、休憩所となっている頌徳殿(しょうとくでん)、トイレなどがあります。
納経所(手前)と不動堂(奥) 出典:boianuf
御朱印をいただく前には弘法大師御廟をお参りをしないといけませんので手水舎(てみずや)もこの場所にあります。
手水舎で身を清めたらいよいよ弘法大師御廟へと向かうのですが、この御廟橋の手前では帽子を脱ぎ服装を正し合掌、一礼をして渡ります。
これより先は弘法大師の霊界、聖域となっているので写真撮影は一切禁止です。
御廟橋を渡ると弘法大師の拝殿となる燈籠堂が見えてきます。
燈籠堂にはお供えとして一番尊いとされるろうそくの燈籠が無数に天井より吊り下げられていています。
弘法大師御廟はこの燈籠堂に裏側になり、今なお冥想を続けているとされるお大師さまはこの燈籠堂の地下におられます。
燈籠堂はお大師さまにお願い事などをする拝殿、御廟に行く前にここで真言を唱え遍路満願のご報告とともに、最後となるお札を納札箱にお納めましょう。
この燈籠堂には、お大師さまがお召しになっていた御衣の切れ端「御衣切」という高野山最強のご利益アイテムがあるので買うのを忘れないようにしましょう。
※2016年6月28日放送「所さんのニッポンの出番」のキャプチャ画像
燈籠堂を時計回り(左方向)に進むと裏側にある弘法大師御廟へと行くことができます。
もちろん、ここでもお線香をお供えし真言を唱えお参りします。
さらに進んでいくとお大師さまに一番近づくことのできる「地下法場」へと降りて行くことができます。
ここにも奉納された無数の燈籠が吊るされ、「身代わり大師」という小さなお大師さまの像が並んでいてまるで別世界なような幻想的な雰囲気を醸し出しています。
奥の方には巨大な数珠と三鈷杵がおいてあり、それに触ると弘法大師の恩徳を授かることができると言われています。
一番奥には祭壇があり、その蝋燭の灯影の隙間から弘法大師の肖像を見ることができます。
弘法大師はその肖像のさらに奥で今なお座禅を組んで冥想をされていると言われています。
※2016年6月28日放送「所さんのニッポンの出番」のキャプチャ画像
全てのお参りを終えると御廟橋に戻り、先ほどの納経所で満願納経をしてもらうのですが、お大師さまは御廟橋までお見送りに来てくださっています。
御廟橋を渡る前には必ず御廟に向かって合掌礼拝をして下さい。
また、総本山金剛峯寺でも御朱印がいただけるので、帰りに参拝されることをおすすめします。