別格本山・南院には秘仏とされる弘法大師空海が自ら彫った波切不動明王がご本尊様として祀られています。
その波切不動明王は年に一度、6月28日の御開帳のときだけにしか見ることができません。
しかし、旧暦の5月1日~2日の2日間に限り、南院より山王院に移され特別に拝観することができます。
それが「山王院夏季祈り」と言われる招福除災をお祈りする法会行事です。
波切不動明王の由来
出典:所さんのニッポンの出番より
以前にも当ブログで紹介しました南院の浪切不動明王ですが、この不動明王は空海が自ら彫ったものだとされています。
唐に勉強に行っていた空海が日本に帰国をする時に大嵐にあい船が難破しそうになります。
そこで空海は嵐を沈めようと、密教を教えてくれた恵果阿闍梨(けいかあじゃり)より授かった霊木から不動明王を彫ったところ、持っていた剣から火炎が出て大波を切り開き船を無事に日本へと導いたことから浪切不動明王と名付けられました。(実際には彫ってあったものを船の上でお祈りしたようです。)
また、南院は全国にある波切不動明王の総本家でもあります。
山王院夏季祈りとは?
山王院は壇上伽藍にある高野山の守り神である丹生明神と高野明神が祀られている明神社の拝殿です。
南院より波切不動様の信者の手によって唐櫃(からびつ)で運ばれた波切不動明王が山王院にお祀りされます。
山王院では法楽を捧げ天下泰平・五穀豊穣のお祈り行事が執り行われます。
山王院夏季祈りというのは、もともと四季祈りとして執り行われていたそうですが現在では夏季のみの催しとなっているそうです。
旧暦の5月1日~2日にわたり執り行われるこの行事は一般の人も見ることができるので、秘仏と言われる波切不動明王を拝見できる唯一のチャンスです。
波切不動明王がご本尊として祀られている南院は宿坊にもなっているので、そこに宿泊するともしかしたら目の前で見られるかもしれません。
山王院夏季祈りの新暦ごよみ
2017年 新暦2017/平成29年 05月26日(金曜)~05月27日(土曜)
2018年 新暦2018/平成30年 06月14日(木曜)~06月14日(金曜)
南院の基本情報
〒648-0211
和歌山県伊都郡高野町高野山680
☎0736-56-2534
URL:http://www.sea.sannet.ne.jp/namikiri-nanin/index.html
高野山上駅より南海バスにて3つ目の停留所「浪切不動前」下車すぐ
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