高野山の宿坊に泊まって1泊2日ひとり旅

壇上伽藍 情報

高野山は、平安時代に真言密教の開祖である弘法大師「空海」によって開かれた修行場です。

2004年に世界遺産に登録され、2015年には高野山開創1200年を迎えました。

今回は、その高野山の奥の院、霊宝館、金剛峯寺、壇上伽藍を1泊2日の行程で巡ってみました。

高野山駅

最寄り駅であるケーブルカー高野山の駅に到着したのが10時過ぎ、早速「奥の院」に向かうためにバスに乗ります。

「奥の院」とは弘法大師の御廟がある場所で、壇上伽藍と並び高野山の2大聖地です。

15分ほどバスに揺られ「奥の院口」で下車、運賃は330円でした。

奥の院へ通ずる参道には、荘厳な空気が漂う

奥の院織田信長墓所

「奥の院」の御廟まで、一の橋から樹齢数百年の杉木立に囲まれた参道を歩いて行きますが、参道には有名武将・諸大名の墓所や供養塔、そして有名企業の墓所がありその数は約20万基を超すと言われています。

墓碑が並んでいるのは、弘法大師のおそばで眠れば極楽住生できるという信仰によるものだそうです。

大木からの木漏れ日とお線香の香りが漂う中を歩き進むと、自然と荘厳な気分に浸って心落ち着いてきます。

墓碑銘を見ながらゆっくりと歩いたので、御廟橋まで45分ほどかかりました。

いよいよ弘法大師御廟に到着

奥の院弘法大師御廟

御廟橋から先は、弘法大師の霊域となりますので、写真撮影、飲食、喫煙、携帯電話、大声で話すことなどが禁止されており、行きも帰りも橋の前では合掌します。

合掌を終え、奥にある燈籠堂、そしてその奥の弘法大師の御廟へと足を伸ばします。

燈籠堂には、全国から献上された一万六千余りの燈籠がおさめられています。

堂の正面には、千年以上も燃え続けている二つの「消えずの火」が今も灯り、ひとつは祈親上人、もうひとつは白河上皇の献じたものだそうです。

弘法大師御廟は、燈籠堂の中に入って左手に進んでいくとお堂の裏に回り込む道があります。

そして、燈籠堂を回り右側面に地下へ入る階段がありますので、降りていきますと地下に奉納された「燈籠」と「身代わり大師」が並んでおられ、一番奥に大師様に一番近づくことができる祭壇があります。

お参りを終え、帰路は中の橋のバス停「奥の院前」まで20分ほど歩き中の橋へ到着。ちょうどお昼時なので、中の橋周辺でお昼にしました。

中の橋駐車場の前にある中の橋会館にある「食事処 はちよう」に入り「天ぷらうどん」を注文。メニューは、精進定食屋、そば・うどん、丼物など豊富です。

会館の1Fには和菓子の「かさ國」という店舗があり、奥之院にある「みろく石(1個110円)」の形をした粒餡の控えめな甘さが広がるお饅頭です。価格も手ごろなので、お土産におすすめです。(高野山にちなんだ銘菓は、いくつかあります)

霊宝館を巡って宿坊へ

霊宝館

「奥の院前」のバス停からバスに乗り「霊宝館」へは、10分弱で到着します。

大正10年(1921年)に建てられた霊宝館は、国宝級の貴重な仏像や仏画などの文化遺産を展示しています。

1200年という歳月を感じさせる展示品は、約5,000点に及び、数多い見る価値ありの展示品の中、圧巻は聾瞽指帰(ろうこしいき)という弘法大師直筆の著作(国宝)です。

弘法筆を選ばずといわれるその筆致には、思わず心奪われる素晴らしを感じました。

今夜のお宿「宿坊 恵光院」まで霊宝館からバスで5分の距離ですが、宿坊が並ぶ道をのんびりと20分ほど歩きました。

予約時にお願いしていた16時30分からの阿字観瞑想に、まだ時間の余裕があったので部屋で写経をして心と体を落ち着かせ瞑想体験終了後、17時30分に精進料理の夕食をいただきました。

日頃、脂っこい食事が多いので、あっさりとした精進料理に体が喜んでいるようです。ちょっと休憩をしたのち、肌のあたりが柔らかい湯と評判の大浴場で一日の疲れを癒しました。

翌朝は、6時30分に朝の勤行、7時に護摩祈祷、7時30分に朝食というスケジュールを過ごし10時にチェックアウトをしました。

2日目の初めは金剛峯寺、檀上伽藍へ出向く

宿坊から最初に寄ったのが、宿坊のすぐそばにある創業300年の老舗菓子店舗「上きしや」。

目当ては、お土産用に手のひら大の薄い焼き餅(1枚130円)で、10枚ほどを購入です。

餅とはいえ、薄く表面がパリッと焼き上がって香ばしく出来上がっています。

白餅とヨモギ餅の2種類があり、つぶし餡の甘さが焼き餅にとても合います。

焼き餅購入後、金剛峯寺へとブラブラと10分ほど歩いていきます。

金剛峯寺は、高野山真言宗の総本山であり、拝観料500円で優雅で荘厳な装飾や歴史に名を残す絵師が手がけた襖絵で飾られた部屋、豊臣秀次が切腹した「柳の間(再建された部屋)」などを見て回ることができます。

お寺の一番奥になる「新別殿」という大広間では、お茶やお菓子の接待を受けたり法話を聞いたりすることができます。

また、国内最大級の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」は、一見の価値があります。

金剛峯寺蟠龍庭

のんびりと1時間ちょっと拝観して昼食時間となり、近くにある「丸万」というお店へ入店。精進料理や定食などのメニューの中から、かつ丼をチョイスしました。

精進料理が2食続くと、肉類を体が欲求しますね(笑)食後は、訪問最終目的地の檀上伽藍へ、金剛峯寺から徒歩約10分弱の距離です。

壇上伽藍中門

檀上伽藍でまず出迎えてくれるのが、壇上伽藍の正面に位置する持国天や広目天などの四天像が祀られている「中門」です。

見所は、1197年に行勝上人が建立したと伝えられる国宝指定の仏堂「不動堂」、弘法大師が住まわれたとされる「御影堂」、弘法大師が819年に創建された「金堂」、高野山のシンボルと言われる高さ48.5メートルの朱塗りの「根本大塔」などがあります。

特に「根本大塔」の塔内で繰り広げられた極彩色の曼荼羅の世界は、見るに美しくとても感動的です。

壇上伽藍根本大塔

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